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2013年3月

2013/03/27

TOA MODEL DE-1000 (3chデジタルディレイ)

今回は1986年に発売された(と思しき)TOA社の3chデジタルディレイ『MODEL DE-1000』について。(マシンの説明はエントリー後半からです)

2013年3月初旬に久しぶりにハードオフ巡礼ウォークラリー(総歩行距離約20km)に出かけた際にこのマシンに出会う事が出来、見事に我が家で稼動中ですというオハナシです。間違いの無いように言っておきますがオフィシャルでそんなウォークイベントが行われているわけではなく、俺が自身の機材探しの旅に勝手にそう名付けているだけです。長距離散歩とハードオフはどちらも俺が愛するもので、言ってみれば"プロ野球観戦とビール"だったり"電車の旅と駅弁"という組み合わせのように楽しい事がダブルで重なっている、それはそれは至福の時間なのです。そんなのどうでもいいですね。
※なお、社名のTOAとは、昭和9年(1934年)創業の旧社名『東亞特殊電機株式会社』にちなんだ名前との事です。

youtubeにはこのTOA MODEL DE-1000を使って作った動画をアップしました。
セッティングはこんな感じ。ディレイ音を確認するという狙いですのでとてもシンプルに構成しました。

De1000_setting01



De1000_setting02


[使用機材 / Machones]

TOA MODEL DE-1000 (3chDelay)
Roland RX-82 (8chMixer)
Roland SH-101 (Analog synthesizer)
SCI drumtraks (PCM Drummachine)

どんなディレイのかかるマシンなのか興味のある方は以下のURLからドウゾ!

さて、それではこのマシンを入手したいきさつから。

その日は埼玉県草加市の谷塚(やつか)という辺りからウォークラリーを開始して草加市や川口市を歩き回って計3つのハードオフ店舗を巡りました。

埼玉県にはハードオフが多くあり、これまでにも鴻巣、桶川、上尾、大宮、指扇、浦和、新座、川口などのエリアにある店舗を訪ねた事がありますが、草加市を攻めるのは初めてでした。

De_yatuka

なおこの谷塚というのは東京都の最北端にあたる足立区の竹ノ塚の更に北、埼玉県の南端に位置しています。東武伊勢崎線で言うと北千住から北に5つ目に竹ノ塚駅があり、その次の駅が谷塚駅になります。

まず最初に伺ったのは谷塚駅に近い『ハードオフ草加瀬崎店』。

De_ho_sezaki



De_ho_sezaki2

しかし残念ながらワクワクするようなものが(個人的には)無く、315円のギターストラップのみを購入して退店。 初めて歩く町の様子を楽しみながら6~7kmほど離れた次の目的地『ハードオフ草加西店』を目指しました。

De_to_souka

かなり陽も傾いて、辺りが暗くなる寸前で目的地到着。

De_to_souka2

このハードオフ草加西店は以前攻めた際にSONYの6chミキサーMX-7と出会った事もある相性の良い場所。
そんな理由もあってかなり期待に胸を膨らませての入店となりました。

De_ho_soukanishi

さあ素敵な出会いはドコですか?と店内をいろいろと物色して回りましたが・・・・・残念!

ここでも気持ちが高揚するようなブツには出会えませんでした。4段階に伸縮できる大き目のカメラ三脚が安かったのでそれを購入して退店。うーん、敗色濃厚。

よく友人達との間で言う、「ハードオフには期待値を上げて行ってはダメだ」という言葉を深くかみ締めました。何か見つけるぞ~って意気込んで訪問すると肩透かしを食らう事が多いんですよね。何気なく軽ーい気持ちで行った時に限ってポロっと念願のマシンが転がっているという・・・・ああいうの、何の法則ってんでスカね?

ま、とにかくそんな徒労感に支配されたままこの日の最終目的地『ハードオフ川口上青木店』を目指しました。こちらも道のりでだいたい6~7km離れています。普通は歩いて移動するような距離じゃありませんので同じルートを攻めてみようという方はご注意ですよ。

閉店まで残り1時間を切ったくらいのタイミングで川口上青木店に到着。急いで店内をチェックしなきゃと店内に入るとコレがびっくり。

De_ho_kawaguti_3

2年程前に訪問した際よりも楽器やAV機器といった音系ギアの扱いがとても豊富だったんです。
店内にはチェックすべき棚が沢山。70年代、80年代の製品もそこそこあって、ニヤニヤしながら店内を回っていると目に飛び込んできたのが今回購入に至ったTOA社のMODEL DE-1000でした。ジャンクコーナーにあった物だったため一通り音出しをさせてもらい、問題なくディレイのかかることを確認してからいただいて来ました。

で、コレが我が家に持ってきたDE-1000です。
盤面の文字も読めるようにでかい画像を貼っておきますね。

De1000_all2

※画像クリックで拡大

我が家にはこのマシンの兄弟機で、同じくTOAの3chディレイMODEL 310Dというものもあるのですが、面構えがとても似ているので重ねて積んでみたりしてウフフなんつってニヤケながらウットリつまみをいじるなんて事もしてみました。

De1000_rac1

上の画像はメインのラックエフェクター群ですが、上から3番目がDE-1000で4番目が310Dになります。外観だけで言えば310Dの配色の方が80'sっぽくて好きだなぁ(笑)。

De1000_rac2

後日、いろいろと調べたところ、DE-1000の発売が1986年で310Dの発売が1988年となっていました。ラックのデジタルディレイ真っ盛りといった時代の1品だったんですね。ちなみにTOAさんのサイトにはどちらの仕様書もPDFでアップされていました。ありがたいありがたい。

■MODEL DE-1000仕様書

MODEL 310D
仕様書

マニュアル

見比べたところDE-1000と310Dの違いは主に以下の点でした。

・310DにはMIDIが付いている
 (なんとMIDIスルーまで付いてます。310D複数台でデイジーチェーンだ笑)
 本体にメモリした最大32個のディレイタイムセッティングをプログラムチェンジ
 のメッセージで変更できる
 エフェクトのオン/オフ制御

・最大ディレイタイムが異なる
 DE-1000の最大ディレイタイムは255ms
 310Dの最大ディレイタイムは999ms

・本体にメモリできるディレイタイムセッティング数の違い
 DE-1000の最大メモリは4個
 310Dの最大メモリは32個

・ディレイ音(エフェクトされた音)の歪み率が異なる
 DE-1000の原音に対する歪み率は0.2%以下
 310Dの原音に対する歪み率は0.3%以下
 DE-1000のほうが原音に忠実なディレイ音という事
 (ただしあくまで理論上であって聴感上それが感じられるかはまた別)

ざっとこんなところです。さすが310Dのほうが後継機種だなという感じでしょうか。
スペックだけを見るとDE-1000はフランジャーやショートディレイマシンとして使い、310Dをロングディレイに使ってやるのがよさそうです。
音色に関して言うと、あくまで主観になりますがどちらも『バリバリのデジタルです!』といった音の雰囲気です。ハイが硬く、一般的にディレイで良しとされるまろやかさとかぬくもりといった要素はまるでナシです。フィードバックの値を上げて長ーくディレイを繰り返してもアナログディレイのように音がこもっていくのではなく、徐々に低音が削がれてハイ帯域のシャキシャキした感じが強くなっていく特性を持っています。ただそれだけにアナログディレイやスプリングリバーブと一緒に使うと音が埋もれないのでこれはこれでアリだと自分は思っています。

また、TOAという音響機器メーカーのデザイン(設計思想)だけあって、同時期に市場にあったどの楽器メーカーのディレイとも異なったサウンドキャラクターです。

※例えばRolandのSDEシリーズ(80年代前期に製造)やKORGのSDDシリーズ(80年代中期に製造)やVESTAXのDIGシリーズ(80年代中期~後期に製造)とは明らかに音の質感が異なります。

フィードバックやモジュレーションの調整は一般的な回すタイプのつまみではなく、スライダー(フェ-ダー)で行う点もユニークですね。フィードバック(本体にはREGENと記載)の発信するあたりのポイントがとてもせまいので(つまりとってもピーキー)この縦フェーダーでうまく気持ちの良いフィードバックポイントに調整するには慣れが必要です。


De1000_fader


興味深いのはどちらのディレイもCVの入出力端子を備えている点です。このディレイにはもともとモジュレーションが付いていますが、そのモジュレーションLFO(周期)を外部機器からの電圧でコントロールできるんです。アナログシンセの出音にかかっているLFOと同期させてディレイ音をうねらせるってのも面白いかもしれないですね。

今回こうやって楽器メーカーのものではない80年代のディレイをいじってとても興味を持ちました。例えばRAMSA(パナソニックの業務用音響機器部門)やREXERやVictorなんかの音響機器メーカーから出されていたラックディレイなんかもいじってみたいと思いました。

以上、TOAのMODEL DE-1000についてのエントリーでした。

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2013/03/09

AIR BOURYOKU CLUB with caknobs (Performance at Umejima Adachi Ward)

イヤッホウーゥ!

TR-707&TR-606でラッパーと生セッションをかましてきたぜ!

サンプリングやWAV再生ではない生のドラムマシンの出音に見事にラップが乗りました。

まさにオールドスクール!なんて80'sノリ!これぞエレクトロニックボディーミュージック(EBM)!なかなかできない貴重な体験をさせていただいたので記録に残しておこうと考えてのエントリーです。このラッパーとの絡みの詳細は後ほど・・・。

この日の体験は、激しく個人的な見解で言えば、グランドマスターフラッシュかアフリカバンバータか?といったニュアンスをリアルで体験させていただいた素敵な時間でした。・・・・あー、ちょっとカッコヨク言い過ぎたかもしれません。

でも例えばそれは次のURL先のような雰囲気だったんです。生楽器やサンプリングは一切ナシでマシンビーツだけで構成された、トラックスッカスカのHipHop。クラップヤハンズゼベバーデ!

コール&レスポンスはこの時代に既にもう存在していたんだなー ↓

http://www.youtube.com/watch?v=zfJ4PpiavVM

欲を言えばTR-707&TR-606ではなく、drumtraksでセッションできたらもっとリアルなオールドスクールになったし、ラッパーのテンションをもっと上げる事ができたに違いないと少々悔いが残ってます(でも重すぎて気軽にdrumtraksは持ち運び出来ない)。

※『drumtraks』はSequential Circuits Inc社が1983年に発売したドラムマシン。重量8.3kg。サクっと持ち運ぶには全く不向きのマシン。

参考:drumtraksを説明した以前のエントリー ↓

では詳細に移っていきましょう。時は2013年3月2日。

友人から、『自身がオーガナイズするイベントに出てみないか』と声を掛けてもらったのですが、そのイベントはアコースティックバンドのライブあり、レゲエDJあり、テクノDJありという幅の広いものでした。そんなごちゃ混ぜの環境で機材いじりをさせてもらえる事はなかなか無いので喜び勇んで機材を持って現場に向かったというワケです。場所は足立区でした。

ちなみにこの日持って行った機材は以下の通り。

Mixer : Boss BX-80 (8ch , EFX SND×1 )
Drum Machine : Roland TR-606 , TR-707
Synthesizer : Novation BassStation
Synthesizer : FUTURERETRO REVOLUTION
Effect Box : Boss RPS-10,RPD-10,RDD-20
Effect Box : ALESIS NanoVerb

上記の機材+ケーブル(シールドやMIDIケーブルや電源用のテーブルタップなど)+各マシンのアダプター+PCスタンド×2というセットになりました。

総重量は約25kg。それらを持っていつものように電車徒歩移動。まあ疲れました。 なおこのライブ用セッティングの自宅でのリハーサル風景はyoutubeにもアップしてありますので、どのように接続されて動いているのか興味のある方はそちらもどうぞご確認ください。

現場ではこんな感じに組み上げました。うむ。どのつまみもひねりやすい位置に配置できています(自己満足)。

20130302_livesetting

DJのプレイやバンドの演奏が進んでいく中、その場にいた足立在住の友人が俺に声を掛けてきました。

友:「友達のラッパーがいるんだけど、caknobsさんと一緒にパフォーマンスできないかな?」
俺:「おう、いいよ~。やりたいやりたい。で、いつ?」
友:「今これから」
俺:「えっ・・・・今?」

聞けば、俺のライブが終わったところでステージにラッパーが飛び込みで入っていくのでドラムマシンでヒップホップっぽいビートを作ってくれないかとのこと。コレ、ライブ開始15分程前の話。そんな無茶な!(笑)

でも生ドラムマシンに乗っかってラップをかましてくれるなんてそんな機会はめったにありません。いや、めったにというか初めての経験。『やってみたい』という興味のほうが勝ちました。これは正にこのエントリーの冒頭に書いた80'sノリですよ!

「もうその場の勢いで乗り切ってしまえ」と決断し、ビートの展開はどうするとかBPMはどのくらいだとかの打ち合わせの無いまま自分のライブに突入しました。

ひとしきりつまみをひねってうっとりしつつ、心地良くその場の空気を楽しんで、自身のライブ持ち時間終了。ドラムマシンがまだドカドカ鳴っている中、いよいよラッパーがマイクをにぎって「YOYOYO!ワンツワンツワンツー」なんつってステージに上がってきましたよ。アレ?なんだか場馴れしている感じ。

・・・・・・それもそのはず。後から聞いてみるとパフォーマンスを披露してくれたのは『エア暴力倶楽部(ABC)』という名前でCDなんかも出してちゃんと活動している方たちだったんです。おい友人よ、そういう情報は先に教えといてくれよ。"友達のラッパーが"なんて言うからてっきり「近所の飲み友達がにぎやかしで忘年会の1発芸公開の時にラップしてるオチャラケフレンズなんだ!」程度に捉えちゃってたじゃないか。どうりでフロウの中で「ABC」ってワードが何回も入ってたワケだ。何も知らずにやってたよ。

帰宅してjからyoutube見てきたらしっかりPVもありましたよ。

そんな事とは露知らず、スクエアなガチガチビートからTR-707のシャッフル機能を生かして『ドッドカッ』とタメのあるビートに切り替える俺。打ち合わせもしていないのに見事に拍の頭からしっかりキック音をつかんでビートに乗ってくる御2人。ウワーっとすぐにテンションのあがるオーディエンス&俺。いやぁ、楽しい時間でした。

この時の様子を動画に収めていたので以下に公開。是非オタノシミください。爆音でな!

※お詫び
この動画は個人的に回していたデジカムから抜き出したものです。前述のように、もともとこのようなパフォーマンスを想定していなかったため、ABCのお二人に関しては顔すら映らない、ケツばかりがピックアップされたバックショットのみのアングルになってしまっています。ABCファンの皆様には納得のいくようなものではないかもしれませんが、この場のノリとぶっつけでやっている臨場感のような部分を楽しんでいただけると幸いです。

きちんと最後に"エンディング"っぽいリリックまでつけてフィニッシュしてくれました。ABCのVOLO&Piz?、絡んでくれて本当にありがとう!所々にチラチラと感じられた東京北東部臭(ホームって感じ)も素敵でしたぜ!そしてこの場に呼んでくれたオーガナイザーと、この融合をセッティングしてくれた友人の2人にも感謝感謝!

個人的にとても嬉しかったのは自分のライブ開始からABCのパフォーマンス終了まで1度もドラムマシンを止めずにやらせてもらえた点。BPMは何度も変化させましたが、ずーっとビートが途切れずに、みんながTR-707とTR-606のマシンビートでこの場を楽しんでいてくれたという事でした。

30年以上前に発売されたドラムマシンでもまだまだ人を高揚させられるんだというのを再認識した夜でした。

Viva!エレクトロニックボディーミュージック!

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