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2011/11/28

[Machines] 青空テクノ システム詳細

このエントリーは『青空テクノ』のセッティング使用機材や試行錯誤についてまとめたエントリーです。今回は特に個人的な趣味、嗜好に偏っており、不親切な内容になっていますことをご了承ください。
なお、青空テクノの動画URLについては別エントリーでまとめていますので下のURLからご確認ください。

[Clip] 青空テクノ 関連動画
http://caknobs.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/clip-a551.html

それでは「青空テクノとは何ぞや?」というところから話を進めていきましょう。

まず『青空テクノ』という名称ですが、コレは俺が勝手に作った造語です。
ここでいうところの『青空』は青空駐車や青空マーケットなどの表現に使われる場合の青空と同じニュアンスです。つまり屋外の青空のもとに機材を持ち出してシステムを作り、マシンからの出音を楽しむ事を青空テクノと呼んでいます。

自分は年に何度か青空テクノを行っています。
例えばそれは単純に天気の良い日に外気を感じて日光を浴びながら電子音を楽しみたい場合だとか、野外イベントの際に集まっている周囲の人たちとのコミュニケーションの一環として行ったりとか、友人達とキャンプに行って山奥に入り込んだ際のBGMとして利用する場合などが挙げられます。いずれにせよ外気に触れながらハード機材で音を楽しむというのが前提のスタイルなのです。

Aozora_techno_camp

例えば上の画像は2010年夏に友人達と奥多摩にキャンプに行ったときの様子です。完全に仲間うちだけのキャンプだったのでかなりだらけたモードで皆、音を楽しみました。
木々のこすれる音、蝉の声、鳥のさえずり、緑の匂い、土の湿りけといったものを感じながらネイチャーに溶け込ませる感じでの青空テクノが楽しめました。蝉の声をバックにSH-101のアルペジオを延々と続けながらじわりじわりとフィルターを開閉していくと、途中から蝉の声なのかオシレーター(VCO)の音なのかが良く判別できないという錯覚が起きてたまらない気持ちよさがありましたよ。TR-606とSH-101の組み合わせは基本にして普遍ではないでしょうか。

そんな青空テクノですが、自分は一つのこだわりを持ってシステムを作っています。
AC電源(≒コンセントからの電源)や発電機を使わずにシステムを構築すると言う事です。
これは、青空テクノでのセットアップは全て自己完結しているスタイルが望ましい(格好いい)と考えているからなんです。機材を持ってフラッと目的地に出かけていって、サッと荷をほどき、チャチャッとシステムを組み上げて音を楽しみ、再度荷をまとめて自宅に帰るという一連の流れを全て一人で手軽に行うのを理想としているワケです。発電機(エンジン型のいわゆるダイナモ)を使った場合重量がありすぎてとても一人ではシステムを持ち運ぶ事ができませんし、AC電源ありきのシステムでは遊べる場所が極端に制限されてしまいます。
そんな理由から青空テクノで使われる機材はみな『電池で駆動するもの』をセレクトしているワケです。

では今回BUGマガジンさんの取材で行った青空テクノでのセッティングを説明しましょう。

使用した機材は以下になります。

【青空テクノ使用機材 Machines of OutdoorTechno】

■音源 / Sound module
 Roland TR-606 (drummachine)
 BOSS DR-220E (drummachine)
 Roland SH-101(Analog synth)
 NOVATION BassStation (Analog synth)
 REXER DRS-10 (sampler)

■エフェクター / EFX unit
 KORG mini-KP
 Roland SP-202
  ※SP-202は本来サンプラーですが今回はエフェクター部分のみを使用しています

■PA
 SONY MX-7 (6ch Mixer)
 BOSS mixingAmplifier km-2 (PRE AMP)
 Mavius GA-1 (monitor speaker)
 Roland MICRO CUBE (Main AMP)

信号の引き回しはこんな感じにしました。同期しているのはシステムマスターのドラムマシン(DR-220E or TR-606)とSH-101のみです。電池で駆動し、単体でシーケンスパターンが組めて、アルペジエイターまでついているSH-101は青空テクノには外す事のできないマシンです。ベースステーションは手弾き、DRS-10はよきタイミングで直接タップしてやっています。

Aozora_autumn_setting_2
※画像クリックでセッティングシートは拡大します

音声信号の流れは至ってシンプルで接続自体は難しくはありません。でもこのシステムは何度か屋外での音出しを経験してきて使い勝手の悪い部分の修正を行って徐々にバージョンアップしてきたシステムなんです。
特に試行錯誤を繰り返したのは音の出口となる部分です。

まず必要だったのはアンプ(オーディオアンプではなくいわゆるギターアンプ)でした。2004~2005年頃だったと記憶していますが、バッテリーか電池で駆動するアンプを探していたところRolandからMICRO CUBEという単3電池で動く小型のギターアンプが発売されているのを知りました。それ以前にも充電バッテリーで動くアンプはありましたが単3電池で動くならそっちのほうが手軽です。出先で電池が切れてもすぐに補充できますからね。俺はすぐにMICRO CUBEを購入しました。

Microcube

※このMICRO CUBEは持ち運びのためにカートにくくりつけています。カートは付属されているものではなく、別途購入したものです。

次に悩んだのはそれぞれの機材(ドラムマシンやシンセサイザー)のラインアウト出力をどうやってまとめるかと言う事でした。
MICRO CUBEにはLINE IN×1とAUX IN×2の2系統、計3つの入力端子がありますが基本的にはギターアンプです。3つの入力端子それぞれに機材を突っ込んでも個別にボリュームがついているわけではありませんのでバランスは取れません。どうやったってミキサーが必要になるのです。複数の機材からの個別のライン出力の音量バランスを調整して一つのまとまったアウトプット信号を作り、それを入力してやってはじめてアンプとしての能力が生かせると言う事です。

そんな理由からコンセントからの電源を使わずに駆動するミキサーを見つける時期が続きました。
音響屋(PAショップ)で、中古楽器屋で、ハードオフで、時にはネットオークションで、使えそうなものがあるとチェックを入れていました。そしてこれはと思うミキサーを幾つか入手していきました。

時系列に沿って紹介していきましょう。まずはコイツからです。
秋葉原で購入したAZDEN(アヅデン)の『CAM-3』というポータブルミキサーです。

Azden_cam3_1

3チャンネル分のフェーダーがありますが1、2チャンネルがモノラルのマイク入力で3チャンネルがステレオのライン入力です。

Azden_cam3_2

本来の使い方はビデオカメラで録画をする際に1、2チャンネルにマイクを入れ、3チャンネルに携帯音楽プレイヤーなどでBGMを入れるというのが想定された使い方です。出力はステレオミニ端子が1つです。
で、コイツを使って何度か青空テクノしてみましたがやはりそれぞれの機材のレベルをそろえるのが難しいのです。当たり前です。マイク入力のチャンネルに直接ドラムマシンのアウトを突っ込んだりしているのですから。
手のひらに乗るサイズでとても小さいのは持ち運びが楽で魅力的なのですが求めているものはコレではないと言う結論に達しました。

次に出会ったのはコイツ、midimanの10チャンネルアナログミキサー『multimixer10』でした。

Midiman_1

標準フォン6.3mm入力×2(LINEとMICのゲイン切り替えスイッチ有)、RCAピンモノ入力×4、ステレオミニ入力×2の計10ch入力。出力はRCAピンL-Rアウトとステレオミニ端子の2系統を装備。しかも別途ヘッドホン用のステレオミニ出力まで備えている充実の仕様。VHSのビデオテープを一回り小さくしたくらいのボディに素晴らしい入出力が詰まっていました。

Midiman_2

お茶の水のイシバシ楽器のジャンクコンテナの中にコレを見つけた俺は「このスペック完璧じゃん!」と喜んで家に連れて帰りました。しかし実際に家でテストをして致命的な弱点があることに気付きました。
なんとコイツ、アダプターなしでは動かなかったのです。(ええーっ!?俺!)はい、俺が仕様を誤って認識していただけです。コンパクトで良いマシンですが青空テクノには使えませんでした。

なかなか良い出会いの無い日々が続いたある日、渋谷のダンスミュージックレコード(渋谷ハンズ向かいのレコード屋)、通称DMRでコイツと出会いました。DMRはアナログレコードやCDだけでなく、音楽をモチーフにした衣類や音楽ガジェットなども扱っているお店ですがこんなものが店頭に並んでいたのです。
なんと単4電池4本で稼動するディスコミキサー『mp3 MIXING DECK』でした。

Mixingdeck_1

パッケージを見るとi-podなどの携帯音楽プレイヤーを2台使ってDJっぽく遊ぶときに使うもののようでした。

Mixingdeck_4

入力はステレオミニ端子が2つ。A、Bと書かれていますがここに左右のターンテーブルを入力するイメージです。

Mixingdeck_2

出力はヘッドホン用とメインアウト用にステレオミニ端子が2つが付いています。

Mixingdeck_3

ヘッドホンのアウトには左右どちらのプレイヤーからの音声をモニタリングするかを切り替えるスイッチが付いています。ヘッドホン音量の調整とアウトプットレベルの調整も個別にでき、DJミキサーとしての最低限の機能を備えているハンディディスコミキサーでした。入力が2系統しかないのでこのままでは青空テクノ用には非力でしたがちょっとしたアイデアがありました。ステレオミニ端子を2系統に分配するプラグを使って強引に計4系統の入力を作ってしまおうというアイデアでした。こんな感じです。

Mixingdeck_5

はい、この接続方法で確かに音は出せました。しかしもともとコイツの作りがおもちゃのようなものでとてもS/Nが悪かったのです。まあ常にノイズが乗っているような状態だったと、そういうことです。
ですので青空テクノには使えませんでした。でも今は友人の家に遊びに行く時などにコレを持っていってお互いのi-podやi-phoneをつないでB2Bごっこをして遊ぶためのツールとして利用しています。
※B2B=Back to Back。DJプレイのスタイルの一つで自分のかけた曲を考慮して相手のDJが曲をセレクトし、今度はその相手がかけた曲を自分が受けて次の曲をセレクトしてというのを交互に繰り返していくやりかた。「うわ、アンタそうくるかー!じゃあ俺これかけるよ、どう返す?」といったやりとりを楽しむスタイル。また、2人で交互に繰り返していくだけでなく、複数人でどんどん入れ替わって曲をセレクトしていき、みんなでその場の空気を共有して楽しむ場合もある。

なかなか望むようなミキサーに出会えないまま歳月が過ぎていきました。が、やっと運命の品に出会えたのです。場所はハードオフさいたま草加西店のジャンクコーナーでした。
見つけたのはSONYのMX-7という6チャンネルのミキサーでした。

Mx7_1

さすがSONY製だけあって作りもしっかりしています。
ただし、コイツには上に挙げてきたものとは異なる特性がありました。アンプ部分(音を増幅させる構造)を内蔵していないのです。乱暴に言えばコイツはボリュームを絞るための6本のフェーダーがついたただの箱なんです。そのため全く電源は必要とせずに音を通す事ができます。AC電源も、電池も必要ないのです。

ただしそのような構造上、アウトプットされる音声信号は非常に低いのです。前述のMICRO CUBE側のゲインを振り切りにあげてやってもまだ出音が小さい状態でした。屋外で音を出すと車の音や人々のざわめきに音がかき消されてしまうようなレベルでした。でも電源を必要とせず個別の機材からの音声信号のレベルを揃えるという点ではとても使いやすく優れたものでした。
そこで思いついたのはこのMX-7からのアウトとMICRO CUBEの間に音声レベルを持ち上げるためのプリアンプを挟んでやることでした。もちろんこのプリアンプも電池で動くものが必要でした。何か適当なものが無いかと探していたところ、Bossの1970年代後半のカタログに答えがありました。

Boss_catalog

コレです ↓

Km2

型番はkm-2というものでした。コレしかないと狙いを定めてネットオークションで落としました。
ほぼデッドストック状態でピカピカのkm-2が我が家にやってきました。

Km2_1

四角い9v電池で動きます。
モノラル2チャンネルのフォン入力それぞれのボリューム調整ができ、それを1本のモノラルアウトにして出力してくれるギアです。アウトはモノラルですがMICRO CUBE自体がモノラルアウトなので青空テクノに使う分には全く問題ありません。

Km2_2

MX-7にドラムマシンやシンセサイザーといった機材のラインアウトを入力してレベルバランスを調整したのち、アウトプットをkm-2に入れて音声出力を増幅し、km-2からのアウトをMICRO CUBEに入れてやりました。

これでやっと思い描いていたことができるようになりました。

現在は更にここから少しバージョンアップしたシステムになっています。
2010年の冬頃に代々木公園で青空テクノをしていた際にMICRO CUBEを相手の方に向けてパフォーマンスしていたのですが、周囲のざわめきに音がかき消されて自分の方に音が返ってこず、手弾きのシンセをドラムマシンのビートに合わせることができなかったことがあったのです。
そこでkm-2からのアウトを分配プラグで2つに分け、一方はMICRO CUBEに入れ、もう一方を9v電池で動く小さなミニアンプに入れ、これを自分用のモニタースピーカー(いわゆる『返し』)にしました。MaviusのGA-1というアンプです。

Ga1_1

屋外に持って行く際にはMICRO CUBEと一緒にこんな風に持ち運びしています。

Microcube_ga1

これでひとまず屋外で、思ったように音が出せるようになりました。

以上が現時点での完成形青空テクノのシステムになります。

電池だけでシステムを動かす事に本当に意味があるのかと問われると返答の難しいところですが自分がcaknobs名義でやっている事は『自分が楽しめるスタイルが大前提』というところがかなり大きいのでまあ大丈夫なのだと思います。

河川敷でのバーベキューや山でのキャンプの際に俺を呼んでくれればシステム持参でテクノをオトドケに馳せ参じますよ。ビーチに持っていくのは潮風が怖いので嫌ですけどね(笑)

以上、青空テクノのシステムについての説明でした。

 

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コメント

NENYX 1002B 電池持ち悪いけど。エフェクトセンドリターンにエフェクター使えるよ。サンクラでも同じタイプがあったけど、音はいいけど今はないみたい。けどまあ、あんましシステム大きくしない方がかっこいいと思う。原発反対。おれたちはコンセントなんて使わないぜ。みたいなイベントでもやってよ。

投稿: まっぴー | 2013/04/12 17:11

コメントをありがとうございます!
あー、XENYX 1002Bが電池駆動するのを知りませんでした。10chでAUX2系統でしかも安価。確かに青空テクノには最適かもしれないです。
あまりシステムが大きくない方がかっこいいというご指摘には同意です!金をかけて大規模にやるのではなく、あくまで一人で全てをコントロールできるような形でやりたいと思っています。
情報をありがとうございました。

投稿: Caknobs | 2013/04/19 01:52

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