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2011年7月

2011/07/29

[Machines] COCKPIT

今回のクリップを作るにあたって思い描いていたのは「とにかく多くの機材が一斉に動いている様を残したい」というものでした。自分がセッティングを作る際にはスペースシップのコクピットをよくイメージするという事は以前にも書いた事がありますが、その視点から言うと今回はかなり大き目のコクピットを構築したいなと妄想してしまったわけです。(笑)

クリップのURLは以下になります。

http://www.youtube.com/watch?v=cvSp_MGdwqE&feature=channel_video_title

セッティングの全体像はこんな感じ。


Kr55b_masterset_2


アウトオブスペース2万光年の旅ですよ。『さあ、一緒にフライトしようよ、パイロットはボクだクルーはキミだ』という感じですね。コマンダーはサン・ラ辺りにお願いしたいところです。

参考資料 sun ra
Sunra_2
土星からやってきた伝道師(自称)


今回のセットはこれまでにこのブログに記録してきたものの中では使用した機材数一番が多く、ややこしい接続になっています。シンクロナイザーを2台使用しているのもややこしさを増幅させています。泥酔してしまうと信号の流れが把握できなくなってしまうパターンです(笑)。そんな時に役立つのがセッティングシート(設計図)。今回のセッティングシートは記載した機材数が多く、貼り付け画像では細部がつぶれてしまっています。細かく流れを追いたい方は画像クリックで拡大の上ご参照ください。

Kr55b_masterset

使用したマシン達は以下の通り。

[使用機材 / Machines]
KORG RHYTHM55B(KR-55B) RhythmBox リズムボックス
KORG KMS-30 Syncronizer シンクロナイザー
Roland TR-606 Drummachine ドラムマシン
Roland TR-707 Drummachine ドラムマシン
Roland TR-727 Drummachine ドラムマシン
Roland SBX-80 SyncBox シンクボックス
YAMAHA EMT-1 FMsound Expander FM音源モジュール
YAMAHA ED-10 Analog DrumPad アナログドラムパッド
Technosaurus Cyclodon Analog Sequencer アナログシーケンサー
DOEPFER MS-404 Analogsynth アナログシンセ
FUTURERETRO REVOLUTION Analogsynth アナログシンセ
Boss RPQ-10 ParametricEQ パラメトリックイコライザー
Boss RCL-10 Complessor コンプレッサー
ALESIS NANOVERB Reverb リバーブ
AKAI mfc-42 AnalogFilter アナログフィルター

ここにいつものAUX SEND用エフェクター6台を加えたのが今回のセットになります。

では今回のセットでの信号の流れを確認します。

まずシステムマスターに使ったのはKORGのRhythm55B(KR-55B)というフルアナログ音源のリズムボックスです。ドラムマシンと異なり自分でオリジナルのリズムパターンを組む事はできません。プリセットされたリズムパターンをセレクトしていくマシンです。操作面上部には6つのボリュームつまみがあり、キック、スネア、ハットというように個別に音量の調整が出来ます。この部分はRoland社のTR-606ととても似た仕様になっています。


Kr55b_2


1982年発売のこのマシンにはMIDIはついていません。DIN Syncもありません。
そういったスペックだけを聞くとなんとも使えない印象を受けますが、KR-55Bにはコイツでしか出せないオリジナルのノリがあり、以前からセットに組み込みたいと考えていました。しかしながらこれまでウチの環境にはコイツを同期させてやれる仕組みが無く、単体で走らせたこのマシンに合わせて鍵盤楽器などを手引きする事が主でした。そんな状況を打開してくれたのがRolandのシンクボックスSBX-80でした。

KR-55BにはTRIGGER OUT端子が付いていますが、その信号によってSBX-80を同期させる事が出来るのです。


Kr55b_triggerout


この背面パネルにあるスライドスイッチで選択した任意のタイミングでTrigger信号をアウトさせることができます。今回のセットでは単純な四分音符( )を選択し、SBX-80のAUDIO INに送っています。


Sbx80


Sbx80_audioin


この接続方法によって、SBX-80はKR-55Bのテンポに同期して動いてくれます。KR-55BをマスターにしてMIDI2系統、DIN Sync2系統のアウト信号を得る事が出来るわけです。しかもKR-55Bのテンポを動かせば追従してSBX-80のテンポも変動します。つまりKR-55BによってMIDI機器のテンポコントロールが可能になるのです。ちょっと話はそれますが、2011年上半期に話題となったKORGの『Monotribe』にも同様のAUDIO IN端子があるので同じような同期が出来ますね。KR-55BとMonotribeのシンクというのは同じKORG同士のマシン接続だったり、アナログ音源のみで音が構成できるという点においてかなりアリな組み合わせなのではないかと思っています。
惜しむらくはSBX-80のAUDIO IN受けの精度がやや甘い事です。
クリップでも確認できてしまうのですが、マスターで走らせているKR-55Bとその他TR-707などの受け側の機器のテンポにズレが生じてしまうのです。今回はそうやってズレてしまった場合にはキリの良い小節で瞬間的にKR-55Bをストップさせ、即座にもう一度55Bのスタートボタンを叩いてやる事で強引に再度テンポの同期を取ってやるという力技で対応しました。自分はコレはこのセットの『味』だと捕らえていますが、このズレは絶対に許容できないという方も多いと思います。参考までに、クリップ中でこのテンポリセットを行っているのは、2'00"、4'14"の2箇所です。

このようにKR-55BとSBX-80を同期させましたが、今回のセッティングイメージは前述したように「とにかく多くの機材が一斉に動いている様を見る」というものだったので更にマシンを同期させるべく、SBX-80のDIN Sync OUTから更にKORGのシンクロナイザーKMS-30を同期させました。


Kms30


Kms30_cable


KMS-30もMIDI2系統、DIN Sync2系統のアウトを持っていますのでこれで計MIDI4系統、DIN Sync3系統のアウトが作れたわけです。なおKMS-30のDIN Sync outを使ってTR-727のシーケンスのみ倍速で走らせるように設定しました。(KR-55BのマスターテンポはBPM128でしたがTR-727だけはBPM256で走っています。)

さて、もう一度KR-55Bに話を戻します。
セッティングシートを見ていただくと分かりますが、KR-55BはTRIGGER OUT端子の他にラインアウト(音声アウト)出力も使用しています。KR-55Bはラインアウト出力をHiとLoの2系統持っています。そこで今回、一方は音声出力としてミキサーに引っ張り、もう一方はYAMAHA ED-10というアナログドラムパッドに送っています。


Kr55b_lineout


これはED-10は外部からの音声信号やTRIGGERパルスによって音を鳴らすことが出来るためです。今回の場合、KR-55Bのテンポに合わせてED-10が鳴るという仕組みです。


Ed10


クリップの0'15"でKR-55Bを叩いてシーケンスをスタートさせていますが、このとき聴こえてくるキック音はKR-55Bのものではなく、ED-10で作ったダンストラック風のキック音色です。(KR-55Bのキック音はもっとポコポコした音で、強いて言えばTR-606のキックに近い音色です。)ED-10の音源部分≒アナログシンセなので、シーケンスを走らせたまま音色変更が可能です。クリップ中でもピッチやディケイ(長さ)をいじって遊んでいるのが確認できると思います。

そして今回は以前のエントリーでCV/GATEのIN OUTの変更を行ったDOEPFER MS-404をTechnosaurusのCyclodonでコントロールしてやりました。


Cyclodon_ms404


これまでウチのMS-404はMIDIでしか制御してやった事がありませんでした。でもせっかくCV/GATE受けが出来るようになったのだからという事でサイクロドン(アナログシーケンサー)からCV/GATEでコントロールしてやりました。MIDIで制御した場合、どうしても出てくる音は12音階を基調にしたメロディーになってしまいますがアナログシーケンサーで音程を制御しているためあいまいな音程を作る事が出来ています。これはどちらの制御方法が良いかという事ではなく、欲しい音や狙ったイメージに合わせて制御方法を選んでやるのがベターだと感じました。

そして今回、音声の最終アウトにはAKAIのフィルターmfc-42をセットしました。録画を終えてから聴き返してみるといまひとつmfcの魅力が発揮できていないように感じました。このフィルターはレゾナンスを上げてやると自己発振しその波形も選択することが出来る、ある意味シンセサイザー的にも使えるマシンです。もっと気持ちよい音が作れるマシンなので、次にセットに加えるときにはもっとうまく利用してやろうと思います。


Mfc42_2


今回はこのセッティングを使ってキック音のはっきりしたダンストラック的なものを作ってみましたが、同じセッティングを使ってもっとダビーでドローンなものを作りたいとも考えています。そういった空間を楽しむ音のほうが宇宙っぽいでしょ?(笑)


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2011/07/18

[Live] Hardware live at Setagaya "Orblight Cafe"

今回のエントリーでは2011年7月10日に世田谷区池尻大橋にて行ったライブ時の補足をまとめようと思います。

今回のイベントでは45分の持ち時間をいただきました以下のクリップはその様子を半分程度の長さに編集したものです。1曲として起承転結のあるものではなく45分の流れの中で山や谷を作っているスタイルですのでダンスミュージックのロングミックスを聴く感覚で楽しんでいただくのが良いかと思います。

20110710 Hardware Jam at Setagaya 池尻大橋 OrblightCafe

[使用機材 / Machines]

Boss BX-60 Mixer ミキサー
Boss DB-33 Metronome メトロノーム
Boss PRD-10 PanningDelay パンニングディレイ
Roland TR-606 Drummachine ドラムマシン
Roland TR-707 Drummachine ドラムマシン
RolandDG CMU-810 Analogsynth アナログシンセ
Willsystems MAB-303 Analogsynth アナログシンセ
FUTURERETRO REVOLUTION Analogsynth アナログシンセ

20110710_setting


上記機材にプラスして機材ラック、ケーブル類、ハードケースなど含めて総重量20kg以上の荷物を徒歩で世田谷まで運びました。重いわ(笑)
現場に持っていった手書きの設計図はこんな感じ。この設計図があると無いとじゃセットアップにかかる時間が大きく違ってくるんですよね。(笑)


20110710_settingseet


ちなみにイベントの行われたOrblight Cafeはこんな感じでした。


20110710_13fm_orblightcafe


さて、そうんなふうに組み上げた今回のセッティングですが、是非パフォーマンスで使いたいと考えていたのがBossのDB-33というメトロノームでした。


20110710_db33


DB-33はアナログ音源のシンプルなメトロノームです。以前のエントリーでも扱ったことがありますので興味のある方はそちらもどうぞ。

http://caknobs.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/boss-db-33.html

自分はこの音色が好きで、自宅でもスプリングリバーブにコイツを入力してピコポコ楽しむ事があります。リズムのフェーダーをリアルタイムに操作してノリを生み出しています。


この日のライブではTR-707,TR-606,MAB-303,CMU-810,REVOLUTIONをリアルタイムにパターン操作して展開を作りましたが特にTR-707,606のシカゴハウススタイルな使い方の一例としても参考になるのではないかと思います。
周囲の様子、盛り上がり具合を見ながら音の厚さを変えていけるのもこのシステムが持つ利点の一つだと思います。

自分にとっては今回のようなセッティングは、例えば『今はぐっと落ち着いた展開を作りたい』とか『ここからぐんぐん盛り上げて爆発させたい』といったその瞬間の感情を即座に表現するのにとても適したセッティングだと考えています。

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2011/07/05

[Set] 505disco ゴーマルゴディスコ

今回のエントリーはyoutubeにアップした『505ディスコ』というクリップのまとめです。
クリップのURLはコチラ ↓

http://www.youtube.com/watch?v=PiE_aXh-lEI

使用した機材と信号の引き回しはこんな感じになってます。

505disco_setting01

全体像と使用機材は以下の通り。

505disco_setting

【使用機材・Mchines】
Roland Paraphonic505
DOEPFER MS-404 with Cyclodon
SCI drumtraks
YAMAHA ED-10 ,EMT-1
FUTURERETRO REVOLUTION
KORG ES-1mk2

Sequential Circuit incのdrumtraksをシステムマスターにしてMIDI信号をREVOLUTIONに送り、REVOLUTIONのMIDI outとDIN Sync outを使って他のマシンを制御しています。また、drumtraksのパラアウトからキックの音だけを個別に引き回してそれをYAMAHAのED-10(アナログドラムパッド)を発音させるトリガー信号として利用しています。ですので今回のトラックのキック音はdrumtraksのキックとED-10のオシレーター音をミックスしたものになっています。

Drumtraks_ed10

そしてこのクリップを作るのに久々に引っ張り出してきたのが今回のセットでのメイン機材とも言えるParaphonic505(RS-505)になります。

Roland_paraphonic505

Paraphonic505_frontlogo

Paraphonic505_backlogo

バックパネルのデカRolandロゴがなんともステージ映えしそうですね。
音作りセクションはこんな感じです。

ベース音(左手)セクション ↓

Paraphonic505_basspart

シンセパッド音(右手)セクション ↓

Paraphonic505_synthpart

背面端子類 ↓

Paraphonic505_terminal

Paraphonic505は1978年にRolandから発売されたアナログシンセです。この時代のアナログシンセはまだモノフォニック(鍵盤を複数押しても1音しか出ない)のものも多く、和音が出せないシンセサイザーはポピュラーなものでした。そんな中で世に出されたのがこのParaphonic505でした。マシンの名称となっている「パラフォニック」という造語も、それまでのモノフォニックという名称に対するカウンターでした。(注:電子オルガンやメロトロンなど同時発音できる鍵盤楽器は他にも既にあった時代です)

余談ですが自分が聞いたことのある話ではシンセサイザー奏者の喜太郎さんやスティービーワンダーもこのマシンを愛用していたそうです。モノフォニックシンセサイザーを使ったレコーディングでは和音を録音しようとした場合、1音1音を単音弾きし、多重録音によって和音を作る必要がありました。例えばルートCのトライアドコード(ドミソの3和音)をレコーディングしたい場合、まずはドの音を録音した後それにかぶせるようにミの音をかさねて録音し、2音が重なった音に更に今度はソの音を重ねていくという作業が必要だったわけです。つまりコードやハーモニックを思い描いた通りに再現しようとすると膨大な手間がかかっていたという時代だったのです。そのため1台で和音が表現できたこのマシンは一部のキーボーディストに大変喜ばれていたそうです。ゴダイゴのミッキー吉野さんもこのマシンの愛用者の一人で、名曲「THE BIRTH OF THE ODYSSEY」でもこのマシンを使用されているそうです。

参考URL THE BIRTH OF THE ODYSSEY - MONKEY MAGIC
http://www.pideo.net/video/nicovideo/e8ef8387ef256107/

ああ、何度聴いてもイマジネーションがぐんぐん広がるミックスです。カッコいいなぁ。

ちなみにこの時代は各社こぞってポリフォニックマシンを開発しており、同じくRolandのJUPITOR-4も1978年に発売されています。他メーカーのポリフォニックマシンを見てみるとSequential Circuit incの名機Prophet-5の発売も同時期の1977年で、KORGのΣ(シグマ)Λ(ラムダ)Δ(デルタ)の発売は1979年といったように各社共にポリフォニックのシンセサイザー開発に注力している時代でした。

さて、今回のクリップではそんなParaphonic505のウリであるストリングス音色はほとんど利用せず、主にベース音色を利用してメロディーを弾いています。自分にはこのマシンのベース音色はとてもファンクネスあふれる音色のように感じられます。ねばっこいと表現したらよいですかね。ファンクダンスチューンにとてもマッチすると思うのです。
こういったイメージを増幅させたいと思い、REVOLUTIONで打ち込んだアシッドベースパターンもファンキッシュなパターンにしてみました。
このアシッドベースパターンの音色ですが、REVOLUTION本体の出音と、REVOLUTIONのMIDI out信号によって制御したYAHAMA EMT-1の音色をユニゾン演奏させています。

20110703set02

以前にも触れた事がありますがEMT-1はFM音源です。このFM音色がとても現代的なエレクトロダンスチューンっぽい質感を作ってくれます。例えばクリップの6'46"辺りの音色変化はEMT-1のプリセット音変更によるものですが、なかなか攻撃的な音色になっていると思いませんか?REVOLUTIONでカットオフフィルターを開いた時のハイ帯域のビキビキ感とは異なったビキビキ感が得られるためとても重宝しています。

このREVOLUTIONで作ったアシッドベースシーケンスパターンとは別のシーケンスをプレイバックしているのがDOEPFERのMS-404です。先日のエントリーでも紹介したように自分の持つこのMS-404はCV/GATEのin outの変更をしてあり、外部からのCV/GATE信号でコントロールできる仕様になっています。今回はREVOLUTIONのDIN Sync outのクロックでアナログシーケンサーのCyclodonを制御し、そのCyclodonで作ったシーケンスパターンでMS-404を鳴らしてやりました。

こんな感じに作った今回のトラックですが、ひとつ今回再認識した事があります。
やはりピッチを下げたdrumtraksのスネア音色はこういったミドルテンポダンスチューンに向いているなあという事です。4ッ打ちキックの2拍と4拍にスネアが入るシンプルな8ビートをdrumtraksで再現すると80'sテイストを持ったディスコビートになってとても気持ちよいです。こういったパターンのですね ↓

Samplepattern_8beatdisco

ファンクネスです。黒いなぁ!(笑)

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