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2011年6月

2011/06/12

DOEPFER MS-404 CV/GATE IN OUT 変更のやり方

[Machines] DOEPFER MS-404 CV/GATE IN OUT 変更のやり方 How to alter.


今回のエントリーではDOEPFER MS-404というモノフォニックアナログシンセのCV/GATE信号のIN OUTの変更方法について記載します。もともと販売されている状態ではMS-404のCV/GATEはOUTに設定されています。MIDIで受けたシーケンサーからの情報をCV/GATE信号にコンバートして出力してくれる設定になっています。
実は最近まで簡単にその設定を変更できる事を知らずにいたのですが、twitterで繋がっている方から変更は出来るはずとご指摘を頂き購入してから15年目にして初めてマシンのポテンシャルを引き出せたというなんとも恥ずかしい状態です。でもおかげでブランニューMS-404に生まれ変わり、使えるシンセが1台増えた感覚が味わえました。ではその作業手順を図解していきましょう。

※全ての画像はクリックで拡大できます。


Ms404_cv_change02


【作業を始める前のご注意】
それでは変更方法を書いていきます。ちなみに私は電子工作の知識は全く持っていません。このエントリーの説明も同様に電子工作知識の無い方に向けたものになります。が、そういった方でもゆっくり注意しながら行えばさほど難しい作業ではありません。
ただし、この作業をする事でメーカーでの保障は効かなくなります。あくまで自己責任で行うものだという事をご理解のうえで作業を行ってください。


Ms404_cv_change03


ちなみに筐体の天板カドに貼ってあるこの小さなシールが切れていなければ一度も筐体を開けていないしるしになります。(とは言ってももうだいぶ古いマシンなので保障とかとっくに対象外なのかもしれませんが)


【用意するもの】
・プラスドライバー
・毛抜き (もしくはピンセット)
・ビスやつまみをなくさないようにするための一時的な入れ物 (皿とか)
・作業スペース


Ms404_cv_change04


これだけでオッケーです。テスターやハンダごて等は必要ありません。

【変更方法】
★まず作業を始める前に電源ケーブルを抜いてある事を確認してから始めましょう。★

■step1
まずは筐体をバラして基盤をむき出しにしてやる必要があります。
最初にやる事はフロントパネルの全てのつまみを引き抜く事です。MS-404のつまみはやや強く真っ直ぐに引っ張るとスルっと抜けるようになっています。フロントパネルにある15個のつまみを全て引き抜きましょう。つまみによってはちょっと渋く、抜けにくいものもあるかも知れませんがあせらずに徐々に力を入れて引き抜いてください。このつまみの軸(ボリューム回路)は筐体(シャーシ)に固定されておらず、基盤に直に繋がっているものなのでややグラグラすると思いますがそういった仕様です。それなりに気を使って丁寧に抜くのが良いと思います。


Ms404_cv_change05


なお、引き抜く前につまみを全て0の位置(左に振りきり状態)にしておくと後での作業が少し楽になります。
つまみを引き抜くとこのような状態になります。


Ms404_cv_change06


つまみを抜き終えたら同じくフロントパネル面にある、カチカチ上下させる6つのスイッチ(トグルスイッチ)を全てセンター位置に合わせておいてください。これはのちほどフロントパネルと天板を脱着させるときにスムーズに作業を行うためです。


■step2
続いてフロントパネルのビスを外します。
MS-404のフロントパネルには5ヶ所にビスがあります。


Ms404_cv_change00


そのうち四隅にある4つのビスを外します。ENVELOPEつまみの上(筐体真ん中辺り)にあるビスは外さないほうが作業が楽です。


Ms404_cv_change01


この真ん中のビスはシャーシに付けられているのではなく、天板とフロントパネルを固定しているビスなので外さなくて大丈夫です。


■step3
フロントパネルの4ヶ所のビスを外したら、今度は天板のビスを外します。
天板にも5ヶ所にビスがあります。天板のほうは5ヶ所全てを外します。


Ms404_cv_change07


この5ヵ所のビスを外すとフロントパネルと天板がくっついたままシャーシから外れます。スイッチやLEDに無理な力が入らないように注意しながら手前にずらすようにゆっくりと外してください。


Ms404_cv_change08


なおこの段階で・・・
・つまみ×15
・フロントの皿型ビス×4
・天板の木ネジ×5
が外された状態になっているはずです。


Ms404_cv_change09


外したビスやパーツを無くさないよう気をつけてください。


■step4
フロントパネルと天板を外すとこのように基盤がむき出しになります。
いよいよIN OUTの変更作業に入ります。


Ms404_cv_change10


この基盤にある『ジャンパーピン』というパーツを2ヶ所差し替えます。CVのジャンパーとGATEのジャンパーひとつづつ、計2ヶ所です。
なおジャンパーピンというのはこういったパーツです。

Jpin1

基盤を見ると赤いジャンパーピンが幾つか確認できます。よく見ていくと基盤に直接『J1 CV IN/OUT』と書いてある部分と『J2 GATE』と書いてある部分が確認できるはずです。


Ms404_cv_change12


Ms404_cv_change11


この部分の赤い2つのピンが該当部分です。
基盤全体で見るとこの2つの位置です。左がCV部分で右がGATE部分です


Ms404_cv_change20


ジャンパーピンは垂直に上に引き抜くことで基盤からスルっと外れます。指で引き抜くよりは毛抜きやピンセットでつまみんでゆっくり引き抜くのが良いと思います。ジャンパーピンには外周を1週するように溝が彫られていますのでそのくぼみに毛抜きの歯をうまく噛ませて引き抜くのがベターだと思います。


Ms404_cv_change14


ジャンパーピンを引き抜くと基盤に白字でプリントされた『IN OUT』の文字がはっきり確認できます。これまでOUT側に挿さっていたものを、今度はIN側に挿してやります。CV側、GATE側共に行ってください。
2ヶ所のピンの位置を変えればIN OUTの変更は完了です。たったこれだけです。


■step5
では元に組み戻す作業です。
戻してやる前に、せっかくバラになっているのでつまみやパネルを拭いてあげるもの良いかもしれません。

さきほど分離させた天板とフロントパネルを元の位置に戻します。
ここで注意点があります。
MS-404のフロント面には4ヶ所にLEDが使われています。このLEDはフロントパネルに空けられた穴にはまるようになっています。ただ、戻す際に位置が微妙にズレて元通りの穴にうまくはまらない場合があります。特にフロントパネル左端のLEARNボタンとその上に並ぶ2つのLED部分をはめる際には注意してください。うまく穴にはまっていないのに無理矢理押し込むと、最悪の場合には基盤からLEDが外れてしまう可能性も考えられます。


Ms404_cv_change15


また、基盤面右上の電源周りにはケーブルがありますのでこれをシャーシとはさんでしまわないように注意してください。


Ms404_cv_change19


LEDのはめ込み位置とケーブルの位置を確認しながら元の位置にフロントパネルと天板を戻します。うまくLEDがはまったらフロントパネルからビス止めしていきます。(天板からビス止めを始めるとフロント側の位置微調整がずれてしまうため)
フロント4ヶ所のビス止めが終わったら天板5ヵ所のビスも元のように止めていきましょう。

全てのビス止めが終わったら抜いてあったつまみを元に戻します。
引き抜く前に全てのつまみは左に振り切っておいたので、つまみをゼロを指す位置に合わせるように差し込んでいきます。斜めに差し込んで余分な力を基盤にかけてしまわないよう気をつけてください。

15個全てのつまみを元に戻せば完成です。保証が利かなくなった代わりに新たな機能が手に入りました。


Ms404_cv_change17


これであなたのMS-404は外部からのCV/GATE信号を受けて動作するようになります。
アナログシーケンサーを用意して鳴らしてやるもよし、SH-101のアルペジオシーケンスを使って鳴らしてやるもよし、REVOLUTIONやacidlab Bassline2といったCV/GATE OUTを持つシーケンサー付きマシンから鳴らしてやるのも良いでしょう。それまで見つけられなかったMS-404の新たな魅力が発見できるのではないかと思います。


以上、DOEPFER MS-404のCV/GATE IN OUT変更のやり方でした。


Ms404_cv_change18

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参考までにMS-404の英語版ユーザーズガイドへのリンクとドイツ語版サービスマニュアルへのリンクを貼っておきます。(サービスマニュアルはドイツ語版しか提供されていないようです)

・英語版ユーザーズガイド
http://www.doepfer.de/ms404m_e.htm

・ドイツ語サービスマニュアル(回路図やパーツレイアウトはこちらに載っています)
http://www.doepfer.de/ms404_sm.htm


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2011/06/09

[SET] Monosynths Dub

youtubeにアップした『Monosynths Dub』というクリップの解説です。


クリップのURLはコチラ。
http://www.youtube.com/watch?v=NPvbeKa35cM


これまでこのブログにアップしたセッティングの中では一番機材を多く使ったセッティングになっています。
信号の流れはこうなっています。


Monosynthsdub_setting1
※画像クリックで拡大表示されます。If you click this image, a big image can be seen.

今回はいつものようにドラムマシンなどをシステムマスターにするのではなく、RolandのSBX-80というシンクボックスをメインにしてシステムを構築しています。使用機材は以下の通り。


【使用機材・Machines】
Roland : SBX-80 (シンクボックス Syncbox)
Roland : TR-707 (ドラムマシン Drummachine)
Roland : TR-606×2 (ドラムマシン Drummachine)
Roland : SH-101 (アナログモノシンセ Monosynth)
RolandDG : CMU-810 (アナログモノシンセ Monosynth)
FUTURERETRO : REVOLUTION (アナログモノシンセ Monosynth)
YAMAHA : ED-10 (アナログ音源ドラムパッド AnalogDrumPad)
audio-technica : AT-DS30 (サンプラー&サイレンマシン sampler n' sirenmachine)
CASIO : SK-1 (カシオトーン casiotone)
Pioneer : CDJ-1000 (CDJ)
TechnoSaurus : Cyclodon(アナログシーケンサー analogsequencer)


見た目はこんな感じですね。


Monosynthdub_set01


今回はこのセットで電子dubっぽいものを作っていますがドラムパターンやテンポを変えるとアシッドハウス的なトラックも作れます。音出しテストの際に同じセッティングで作ったトラックがありますのでよろしければそっちもご参考にドウゾ。


tviderにアップした音声トラックです
http://tvider.com/view/56298


では今回のMonoSynthsDubのほうに話を移しましょう。

まずはこのトラック名についてですが『モノシンセダブ』と名づけています。モノシンセというのはモノフォニックシンセサイザーの略です。ではモノフォニックシンセサイザーとは何かというと乱暴に言えば和音(ポリフォニック)の出せない単音(モノフォニック)発声シンセサイザーの事です。つまり複数の鍵盤を押してもそのうちの1音しか発音できないシンセサイザーなんです。主に1970年代~1980年代前半のシンセサイザーはテクノロジーが追いつかず単音発声しかできないものが普通だったのです。しかしながら自分は電圧によってアナログ回路が作り出すそういったモノ音声にとても魅力を感じており、その気持ちよさを感じたいという狙いを持って作ったのが今回のクリップでした。ちなみにSH-101、CMU-810、ED-10、REVOLUTIONという4台のモノシンセを使用しています。正確にはED-10はドラムパッドですがアナログシンセとしてとらえています。というか我が家ではドラムパッドとして叩いて使う事はほとんどありません(笑)


さて、前述したようにこのセッティングのマスターはSBX-80です。このマシンはRolandから1982年か1983年に発売されたプログラマブルタイプのシンクボックスです。


Monosynthdub_set03


Monosynthdub_set06


1982年というのはMIDIという規格が世界的に統一された年です。そんな時代のプロダクトのため、このマシンにはMIDI OUTとDIN SYNC OUTが2系統づつついています。つまりSBXからの信号で4つのマシンを同期させる事ができるワケです。1つのマシンにMIDI OUTとDIN OUTを持っている、現在では珍しい仕様なんですよね。今回のセッティングでもその4系統をフルに使っています。


Monosynthdub_set07


MIDI OUTとDIN SYNC OUTを併せ持つ仕様や筐体のカラーリング、ボタンの形状などを見るとTR-909と合わせて使ってくださいと言わんばかりです。下の画像は拾ってきたものでウチの環境ではありませんがどうですか、このハマり具合。それぞれのマシンのサイドパネルのグレーの色味やオレンジ色のRolandロゴの統一っぷり、更に2台のマシンの操作板面の傾き角度もピッタリ!(笑)


Sbx80_tr909


よく「TR-606を買うとTB-303が欲しくなる(セットで使いたい)」という話は聞きますが、まさにそういったハードウェアフリークスの心をくすぐるデザインになっていますよね。
1980年前半のマシンでありながらタップでBPM(テンポ)の変更が出来たり、外部からの音声入力クリックに合わせてシンクできたりと(現在ではKORG社のMonotribeに同様の機能がありますね)いろいろな魅力を持っています。アイデア次第ではとても現代的に使えるマシンだと思います。なお当時の販売価格は198,000円。なかなか高価であったため個人ユースよりも主にスタジオ等で利用される事が多かったそうです。


では時間軸に沿ってクリップについて説明していきます。

まずド頭で入ってくるのはCASIOのSK-1です。


Monosynthdub_set08


SK-1にはいろいろな魅力があると思いますが、コイツから出てくる電子ビートはスプリングエコーをかけてやるととてもスペイシーな雰囲気になります。SK-1に興味のある方は以前のエントリーで扱っていますのでそちらをどうぞ。


http://caknobs.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/drum-machine-fa.html
※このエントリーの最後のほうにSK-1の説明があります。


SK-1の音声にぶつけるようにSBX-80のSTARTボタンを叩いて全体のシーケンスをスタートさせています。
ここからは気分、ノリ、思いつきといった要素でdubwiseしています(笑)

そして今回初めてセットに混ぜたのがaudio-technicaAT-DS30というマシンです。90年代後半ごろだったと記憶していますが、audio-technicaがDJギアを販売していた時期がありました。DJミキサーや3D音像エフェクターなどラインナップにありましたよね。そんな流れの中で発売されたのがこのマシンなのですがあまり市場で見かけることは少なかったように思います。生産台数も少なかったのでしょう。機能としてはサンプラーモードとサイレンマシンモードを切り替えて使うマシンです。2つのモードを混在させて使う事はできません。


Monosynthdub_set09


Monosynthdub_set10


クリップの2'01"あたりからコイツをトラックに混ぜています。
まずはサイレンモードで使い、ディレイやリバーブをかましています。そして2'16"のところでサンプラーモードに切り替えて遊んでいます。4つの緑色の丸ボタンにそれぞれブレイクビーツを振り分けてTAPしています。このサンプラー部分の同時発音数は1音です(笑)。例えばAのボタンを押して音を出している時は残りのB、C、Dボタンを叩いても音は鳴りません(先行音優先)。サンプリングした音ネタはピッチを変更できる仕様になっています。DJが現場でかけている曲に即興でBPMを合わせて使うイメージですね。残念なのはこのピッチ調整がサイレンモードの音のほうには掛からない(効かない)事です。ピッチフェーダーをいじることでサイレン音もぐねぐねピッチ調整できればかなり使えるサイレンマシンだったと思います。
※そういう意味では厳密にはサイレンマシンとは言えないかも知れません。正しく表現するならば単純な『サイレン音プレイバックマシン』ですね。
このマシンは最近ハードオフでジャンクで置いてあるのを見つけて購入したものなのでまだまだ練習中といった感じです。練習風景の様子を動画で残しましたので、このマシンに興味のある方は以下のクリップをどうぞ。


audio technica AT-DS30 Test tap from synccable on Vimeo.


ひとつ注意点です。
もし中古市場やオークションでコイツを見つけて購入を考える際にはアダプターが付いているかを確認する事をお勧めします。このアダプターのプラグ部分(機材本体に接続する端子部分)の形状がちょっと特殊で『センターピン』のあるタイプなので適合するアダプターを別途見つけるのは骨が折れると思います。


Monosynthdub_set11


サンプラーで遊んだあとはしばしアナログシンセのフィルター開閉とミキサー卓AUXからのエフェクトによって展開を作っています。
例えば4'59"のところではED-10の音をRolandのディレイSDE-2000に送り、その音のフィードバックを調整して約1分間フィードバック音を引っ張っています。つまみのついたディレイマシンはこういうふうにも遊べるので楽しいですね。

SDE-2000のフィードバック音が消えた後、6'08"からのメロディーにゆれを作っていますが、このビブラートはCMU-810のLFOを使って作ったものです。

そして7'10"辺りからフェードインしてくるクリックカウントはSBX-80についているメトロノームの音です。SBX-80はこのクリックカウントの出力端子を備えているのでラインで音を録ることができるんです。


Monosynthdub_set05


このピッコッコッコというカウント音=システム全体のクロックのノリと捉えてください。このノリに準じてマシン達が同期しているワケです。

クリップ終盤の8'10"辺りからはタイトル通りモノシンセ音をメインにした展開を作っています。モノシンセ音好きの方は是非そこからのオシレーター音の絡みもお楽しみください。


以上、Monosynths Dubのセッティング解説でした。

モノフォニックシンセ万歳!


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